更新日: 2018年09月12日
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学芸大学駅前に「ひとひら」「TRATTORIA 夷」「鳥せん」が続々オープン。気鋭の新店が集まる飲食ビルに注目

学芸大学駅東口から歩いて1分とかからない場所に、注目の飲食ビルがある。5月17日、和食居酒屋「ひとひら」のオープンを皮切りに、5月22日「TRATTORIA 夷」、6月2日「鳥せん」と続々と営業を開始し、早くも地元客で賑わう。このビルの物件をそれぞれのオーナーに紹介したのが、飲食店開業サポートを行う上昇気流(東京都渋谷区、代表取締役社長 笹田隆氏)だ。

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上昇気流が出店サポートを手がけたYK2ビル。和食居酒屋、イタリアン、串焼き、と異なる業態の良質で個性豊かな個店が3店入る
1階は、和食居酒屋「ひとひら」。魚と日本酒をメインにした和食居酒屋だ。「本物の和食と日本酒を、気軽に楽しめる居酒屋」がコンセプトだ。店主の赤川登希夫氏は、アパレル業から27歳で飲食に転身。その理由を「アパレルも物を作って売る仕事ですが、売る物に対してもっと想いを込めたかった。心から愛せる物を売る仕事、それが飲食だと思ったんです」と語る。だから「作り手の想いを汲んで、それをしっかりお客様に伝えたい」という。アパレル会社を退職した彼は、都内の焼鳥店で8年、和食で3年と修行を積んできた。その後、渋谷ヒカリエの鉄板焼き店の手伝いをするなどした後、「ひとひら」で念願の独立を果たした。
のれんに杉玉、木のガラリ戸が昭和の雰囲気を漂わせている「ひとひら」。ついつい立ち寄りたくなる温もりと活気が溢れている
「作り手の想いを大切にしたい」と話す赤川氏。時間を見つけては全国の酒蔵を巡る。漁港や農場にだって足を運ぶ。「うちみたいな小さい店だからこそ、小さい蔵や小規模の生産者とお付き合いしていきたいです。深い関係を築いて、その人たちの想いを伝えられる物だけを仕入れています」と話す。旬の食材をふんだんに取り入れた和食が人気の同店。千葉や島根の漁港から直送される岩牡蠣、茨城の農家から取り寄せるそばや米、青森からはとうもろこしや伊達キビを、と全国から厳選した食材を仕入れている。「うなぎ蒲焼き」(1280円)、「とうもろこし かき揚げ」(730円)、「初鰹 塩タタキ」(780円)など、その日に入った食材から組み立てるメニューは季節感に溢れる。一方で、居酒屋では外せない「もつ煮込み」(580円)などの定番メニューも用意する。
千葉の漁港から直送される新鮮な鰹を使った「初鰹 塩タタキ」。季節感を大切にする同店らしい一品
韓国風に仕上げた「焼き茶碗蒸し」(780円)と「とうもろこし かき揚げ」。オリジナリティあるメニューづくりは常連客を飽きさせない
日本酒は、現在取り引きのある30〜40蔵の中から、季節感や蔵元、お客の意見などを考慮しながら常時20種類ほどを揃える。「出雲富士」「鳳凰美田」などの人気銘柄から、「富久長」「百楽門」などディープなものまで1杯500円から提供する。すでに2店舗目の構想もあるという赤川氏。「次のお店は『焼鳥×焼酎』を考えています。日本の食材や地酒を、想いとともにお客様に伝えられる。そんな店を今後もやっていきたい」と話す。
2階「TRATTORIA 夷」。落ち着いたアットホームな雰囲気の店内。オーナーシェフ後夷氏の手仕事を見ながら会話を楽しめるカウンター席が人気だ
2階に出店するのは「TRATTORIA 夷」。シェフ歴30年以上、後夷一郎氏がオーナーシェフのイタリア料理店だ。「トスカーナのマンマの味を再現したトラットリア」がコンセプトの同店。カウンター6席とテーブル席2つのアットホームな雰囲気が友人宅に招かれたような空間だ。オーナーの後夷氏は、新宿のレストランで10年キャリアを積み、高円寺でイタリア料理店を開業。その後、六本木、水道橋のレストランで新規オープンのためのシェフとして招かれるなど、フィールドを広げて活躍してきた。そして今回、再び自身の店「TRATTORIA 夷」を開店するに至った。「“食”という漢字は“人を良くする”と書きますよね。自分の作ったもので人に喜びを届けられる。だから、ずっとこの仕事を続けてこられたんだと思います」と笑顔をみせる。
シェフおすすめ人気の3品。「魚介の自家製ラグーソース」(右・1620円)、「国産ポークスペアリブのとろとろトマト煮込み」(中央・1080円)、「生ダコのマリネ オレンジソース」(左・1080円)
「ホームメイド ホットアップルパイ」(奥・540円)、「自家製ピクルス」(手前・480円)。グラスワインは赤白540円、イタリア、フランス、スペインを中心にセレクトした30種類以上のボトルワインは、2500円から楽しめる
厳しいシェフの世界。若い頃は、先輩の技を見ては盗み、専門書を読みあさっては試し、独学でここまできた。だからこそ、イタリアンと和の食材を融合させた彼独特の味わいが皿の上にも現れる。ゆず胡椒をソースに加えた「本日鮮魚のカルパッチョ」(1300円)、カレー味のオリジナルミートソース「カレーボロネーゼ」を使ったパスタやピザ、ドリアなど、イタリアの伝統を尊重しながらも、巧みに和の要素が取り入れられている。ほかにも、旬の魚を「グリエ」「クリーミートマトグラタン」(各1080円)、「アクアパッツァ」(2050円)と好みに合わせて調理してくれたり、「国産ポークのソテー 粒マスタードソース/ゴルゴンゾーラソース」(1240円/1510円)とソースが選べたりと、1つの食材、メニューにおいても豊富な選択肢を用意する。これまで都心のレストランでシェフとして腕をふるってきた後夷氏。これからは「この店で地元の人に長く愛される店にしていきたい」という。
3階「鳥せん」の内装は、コンクリートでおおわれた空間に、木の質感を効果的に取り入れた内装が印象的
最上階の3階には串焼き専門店「鳥せん」が入る。打ちっぱなしの壁と床に、シンプルな白木のカウンターがのびる。串焼き店のイメージとはかけ離れたショールームのような内装デザインだ。オーナー泉優祐氏は、服飾専門学校に通い、将来は洋服のお直しの店を考えていたという。在学中の飲食店でのアルバイトを通じ、次第に飲食という仕事に惹かれていった。もともと自分の店を持ちたいという思いが強かった彼は、居酒屋やイタリアンで10年以上主にキッチンでキャリアを積んできた。その後、三軒茶屋の人気ブラジル料理店「バンチョー」で店長を3年務めた後、同店で独立した。「スタイリッシュでアートな空間と大衆料理・串焼きという真逆の要素を合わせてみたかったんです。オシャレなカフェで焼鳥が出てくる、そんなギャップが面白いと思ったんです」と、これまで思い描いてきたものを存分に表現した。「飲食店の人たちにも楽しんでもらいたい」という想いから、翌朝5時まで営業する。
繊細な食感と濃厚な味が特徴の青森地鶏シャモロックの焼鳥。「柚子しそささみ」(手前・250円)、「マッシュルーム肉詰め」(中央・320円)、「手羽先」(奥・200円)
メニューは、焼鳥や豚串などの串焼きがメインとなる。故郷の青森の地鶏シャモロックを使った焼鳥「おまかせ5本」(950円)のほか、「ねぎま」や「せせり」「まるはつ」など1本200円から注文できる。ほかにも「燻製醤油さび焼き」(200円)「トマト肉巻きモッツァレラ」(250円)「白玉肉巻き」(150円)など、センスの光る凝った創作串も人気だ。合わせるドリンクは、11種類のグラスワイン(550円)をはじめ、「吟醸 じょっぱり」(750円)「金魚サワー」(400円)「生レモンサワー」(580円)「生すだちサワー」(550円)など豊富に揃える。
「白玉肉巻き」(右・200円)、「鳥さし」(左・450円)、「鳥しお煮込み」(奥・380円)
業態も背景もまったく異なる個店が1つのビルに出店。ターミナル駅の大型商業施設とはまた違った役割を担っている。店と人が、店と店がつながり輪を広げていく。彼らがこの地域の拠点となり、また新たな飲食文化を形成していくことだろう。


(取材=望月 みかこ)
各店のオーナー。左から「ひとひら」赤川登希夫氏、「TRATTORIA 夷」後夷一郎氏、「鳥せん」泉優祐氏
【店舗情報】
店名
①ひとひら、②TRATTORIA 夷、③鳥せん

住所:東京都目黒区鷹番3-3-19 YKⅡビル 1〜3F
アクセス:東急東横線 学芸大学駅から徒歩1分

電話
①03-6457-9460 ②03-3714-6811 ③03-6303-2712

営業時間
①ランチ 月〜土 11:30〜13:30 ディナー 月~土18:00~翌1:00 、日祝 15:00~23:00
②ランチ 火〜日 11:30~15:00  ディナー 火〜土 17:30~24:00、日祝 17:00~23:00
③18:00〜翌5:00

定休日
①不定休 ②月曜日(祝日の際は火曜日に振替)③月曜日

坪数客数
①10坪・20席 ②8.5坪・14席 ③7.5坪・12席

客単価
①ランチ1000円/ディナー3500円 ②1000円/4000円 ③3000円
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